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    邪宗一派の旗揚げ! 有名無実の組織
                    ―正信会―


     いよいよ包括法人設立


 自称正信会の現議長・丸岡文乗が、直近の『正信会報』に、
 「正信会の宗教法人化がすったもんだの末、(中略)全会一致で可決した」(同誌一一二号の巻頭言)
と述べている。「すったもんだの末に可決」とは、混乱する国
会での議決を見るようであるが、この一事を見ても、包括法人設立問題は、完全に意見が一本化できていないようだ。
 それはそうであろう。どんなに言い繕おうとも、要するに正信会は、独自の「教派、宗派」を作ろうとしているのであり、それはまさに一宗一派の旗揚げにほかならない。
 しかし、議論の過程はどうあれ、結局のところ、「全会一致で可決」というのであるから、早晩、「包括法人正信会」がお目見えするようである。
 日蓮正宗の信仰から離れた謗法の者どもが、自ら日蓮正宗とは無縁の立場であると宣明することになる。こういうのを愚の骨頂と言うのであろう。


    包括される寺院はいくつか?


 正信会問題の発生から二十年以上、旗標としていた創価学会の謗法が確定してからでも十数年を経た今ころになって、なぜ包括法人を設立しようとするのか。その答えは単純である。結局、彼らの活動が行き詰まっており、なんとか光明を見出そうとしているからにほかならない。このことは、
 「平成十五年二月に行ったアンケート調査では、包括法人設立に賛成する会員は一五二人中一三一人であった。もっとも同じアンケート調査で、もし設立された場合『加入する』は五十八人、『加入しない』は七人、『未定』が八十七人となっている」(前同)
との結果からも見て取れる。
 つまり、九割近くが、現状の正信会の有り様に不安を抱き、その解決の糸口を包括法人設立に見出そうとしつつ、その三分の二は、それによって問題が好転するとは考えていない、もしくは判らないということである。
 たとえ、万難を排して包括法人を設立しても、そんな脆弱な法人の傘下に、一体いくつの寺院が加わるというのか。
 謗法団体の末期症状を、我らは篤と見物しておこう。


     有名無実の組織


 そもそも、正信会員が蟠踞する寺院のほとんどは、日蓮正宗末寺であり、登記されている住職(代表役員)も、日蓮正宗僧侶である。故に正信会員には、法的に何の権限もない。したがって、今後、正式に包括法人正信会が発足したとしても、適法に正信会寺院をその傘下に組み入れることはできない。
 となれば、実際に包括法人を設立しても、ほとんどの寺院は、適正に包括法人正信会との被包括関係を結ぶことすら不可能である。
 そんな有名無実の包括法人を設立することにより、なんらかの問題が解決できると思い込んでいる稚拙さには、ほとほとあきれ返る。すべての原因は、自らの大謗法にあると知れ!


     根無し草の信仰


 また、丸岡某に限らず、正信会員は、つねづね、
 「日興上人の『いずくにても聖人の御義を相継ぎ進らせて世に立て侯はんことこそ詮にて候へ』の御信念を我が信念として・・・」(前同)
と言い張る。
 これは身延を離山される日興上人がその心境を披瀝されたものであるが、よく考えてみよ!
 日興上人は、日蓮大聖人の御魂である根源の法体、すなわち本門戒壇の大御本尊を奉戴する上から「いずくにても・・・」と仰せられているのである。
 それに比して正信会は、いったい何を根源の法体として奉持しているというのか。あると言うなら、具体的に示してみよ!
 根無し草の信仰をもって、いかに考えあぐねようとも、その組織が有名無実に堕すことは必定と言うべきであろう。

大白法664(h17.3.1)号より転載



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