談話 渉外部長 秋 元 広 学 御尊師
すでにご承知の方も多いとは存じますが、まず改めて正本堂事件の経過を振り返ってみたいと存じます。
この事件は、総本山大石寺が平成十年に正本堂を解体したことを理由として、創価学会員らが正本堂解体によって精神的苦痛を被ったと主張して、大石寺および御法主日顕上人猊下に対し慰謝料を請求し、あるいは御供養金の返還を請求してきた裁判です。
彼らは平成十二年一月十七日静岡地方裁判所富士支部への提訴を皮切りに、同年四月二十八日のさいたま地方裁判所川越支部への提訴までのわずか三カ月間に、全国各地の裁判所に合計三十九件もの訴訟を提起してきました。彼らは、全国各地でたまたま自然発生的に訴訟が起こっただけであるなどと公言していましたが、それぞれの訴状の内容は基本的に同じであり、中には誤字までが同じものがありましたから、これらの訴訟は創価学会側が宗門攻撃のために、組織的に提起したものであったことは明白です。
全国各地に39件もの濫訴
これら全国で提起された多数の事件は、原告らの請求内容に応じて二つの種類に大別されます。
一つは創価学会が大石寺に対し正本堂を建設・寄進するにあたり、創価学会員らから集めた御供養金に関して、創価学会員らが正本堂の解体は大石寺による債務不履行ないし不法行為にあたると主張して、各自の御供養金の三倍ないし五倍の金額に相当する損害賠償を請求した事案であり、この事案は彼らの主張に即して便宜的に「建設御供養事件」と呼称されています。
もう一方は、正本堂建設後に大石寺に対してなされた御供養に関して、これは正本堂護持のためという使途目的が限定された寄付金であったと主張し、正本堂が解体されたのであるから返還を求めるというもので、この事案も彼らの主張に即する形で便宜的に「護持御供養事件」と呼称されています。
そして種類別に内訳を見ると、「建設御供養事件」が二十六件、「護持御供養事件」が十三件となっています。
27件が静岡地裁へ 移送審理さる
大石寺側は、争点や主要な証拠、予定された証人などが共通する同種の裁判が全国各地の裁判所に分散提訴されたことにつき、同種事案を多数の裁判所で各別に審理することは、訴訟経済の上からも適切でないとの理由に基づき、静岡地方裁判所へ移送して併合審理を行うように求めました。
大石寺側の移送申立の結果、多くの裁判が静岡地裁に移送されることとなり、先に述べました三十九件のうち、二十七件(建設御供養事件二十一件・護持御供養事件六件)が静岡地方裁判所で審理されることとなりましたが、残りの事件はそれぞれ訴訟が提起された各地の裁判所で審理がなされました。
すでに最高裁で 3件勝訴確定
まず判決が出たのは横浜地裁における護持御供養事件で、平成十四年一月二十九日原告である創価学会員の請求を棄却し、宗門全面勝訴の判決が言い渡されました。
次いで建設御供養事件での最初の判決が同年四月二十三日札幌地裁旭川支部で言い渡され、ここでも原告である創価学会員らの請求はすべて理由がないと裁断されました。
その後、同様の判決が各地で相次ぎ、次々と宗門全面勝訴の判決が積み上げられていく中で、各地の高裁レベルでも宗門勝訴の一審判決が維持され、さらにそのうち三件はすでに最高裁判所で宗門の全面勝訴が確定しました。
こうした中で昨年暮れ、多数の訴訟が併合審理されていた静岡地裁において二十七件すべてについての全面勝訴判決が一挙に言い渡された他、高松地裁や大阪高裁でも全面勝訴判決が言い渡された次第です。
「御供養は信仰心の発露」と正当な判断
これまでの裁判所の判決は、静岡地裁を除き、一般に御供養は信仰心の発露でなされるものであって、特段の事情がない限りはこれに法的な条件や負担(義務)が付されることはないとの極めて常識的な前提に立脚した上で、創価学会員らが行った御供養についても、正本堂をいつまでも維持しなければならないとか、あるいは正本堂の保守・維持・管理に供されなくなれば御供養金を返還するなどとの条件や負担が付されたものとは認められないと判示しています。
静岡地裁の場合も、建設御供養事件については同様の判示をしていますが、護持御供養事件についてだけは他の裁判所とは少し異なり、護持御供養には正本堂を相当期間にわたって保守・維持・管理するために積み立てるとの負担が付されていたと認定しました。
その直後に出された大阪高裁の判決は、護持御供養につき、そのような使途限定の負担が付されたものとは認められないと明言していますが、やはりこちらをもって正当とすべきです。
御遷座で存在目的を失った正本堂
しかし、その静岡地裁も、そこで言う正本堂とは大御本尊が安置された状態のものを指すのであって、大御本尊が安置されなくなった建物についてはもはやそのような義務は存続しないと述べています。さらに原告ら創価学会員は平成九年十一月三十日の経過をもって信徒資格を喪失したことを指摘し、その時点で大石寺の負担は消滅したとも認定しています。他の裁判所と若干理由は異なりますが、いずれにせよ静岡地裁も創価学会員らの訴えをすべて棄却したことに変わりはありません。
特に静岡地裁においては、青木亨・現創価学会理事長も証人として出廷しましたが、その証言を斥けた上での宗門全面勝訴の判決ですから、その意味では宗門にとって、これまでにも増して大きな勝利であると言えます。
事実上、総本山全件勝訴の決着つく
以上のように、正本堂事件は宗門の連戦連勝となっており、事実上すでに決着はついたと言うべきです。創価学会側はなおも執拗に控訴や上告に訴えてくるでしょうが、無駄な悪あがきという他ありません。
しかし宗門としては、引き続き手を弛めることなく、彼らの不当な策動を徹底的に粉砕すべく、断固としてこれに対処していく所存です。
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