(16)




      離脱作戦失敗物語
     離脱僧は創価学会でも邪魔者
                  ―創価学会―



   創価学会の浅はかな奸智


 邪智に翻弄される創価学会は、宗門支配のためにあらゆる策を弄してきた。その一つが、無信心な僧侶への離脱勧誘、いわゆる「離脱作戦」である。
 これは、要するに、僧侶が創価学会に与して宗門を批判し、挙げ句には宗門から離脱するような構図を作ることにより、あたかも創価学会が正しいと末端会員に思い込ませる演出である。
 創価学会は、以前から虎視眈々と「宗派離脱」の方法や手続き、その影響などを研究し、将来、宗門と決別する時の攻撃材料として温存していたのであろう。なんと浅はかな企みだろうか。


   離脱僧は宗門に不要な不埒者


 今般の創価学会問題のなかで、最初に離脱僧が現れたのは平成四年二月のことで、工藤某や吉川某など、先鋭的池田大作信奉者がその先駆けである。
 創価新報(平成十六年七月七日付)は、
「三十カ寺五十三人の離脱僧侶が決起」
などと、さも得意気に、これを根拠にして、御法主日顕上人猊下を誹謗中傷している。
 しかし、非教師をも含め、日蓮正宗の僧侶は、今や約千人に及ぶ。そのなかの「五十三人」、たった五パーセント程度しか、創価学会に同調する愚か者は出なかったのであるから、この数は、創価学会の正当性を証明するのではなく、むしろ創価学会による離脱作戦が失敗したことの例証にほかならない。
 そもそも、創価学会に宗教的正当性など微塵も無い。いわんや、その反社会的体質や大作の常軌を逸する名誉欲、不正直な姿、そして何より御本尊を勝手に作製していることを見れば、創価学会が大謗法団体と化していることは、疑う余地もない。
 そんな大謗法に与する離脱僧など、謗法厳誡の宗是に照らし、宗門には元より不要な不埒者であることは論をまたない。


   離脱作戦の大誤算


 ところで、創価学会の某副会長(弁護士)は、離脱勧誘の際、
「本部から現金五千万円の支度金を支給する」
と明言したが(判例タイムズ 一〇九四―一八五頁)、これを前提とすれば、創価学会は離脱僧らに五千万円×五十三人、二十数億円の金員を渡したことになる。
 また、某離脱僧に月々百万円、この一人だけでも累計七千二百五十万円もの給与が支払われていた。単純に推計して、離脱僧全体への給与は莫大な金額にのぼることだろう。
 さらに、離脱僧への損害賠償請求訴訟では、十件の事件で、約三億五千万円の金員を宗門に支払い、非法人寺院奪還訴訟でも、宗門へ五億円以上の和解金を支払った。
 加えて、訴訟に敗けて寺院から追い出された僧侶に対し、創価学会は会館寺院と称する「すみか」をわざわざ与えているが、その準備費用なども、けっして少額ではあるまい。
 これらすべてを勘案すれば、創価学会は、離脱僧に一体いくらの経費をかけているのか、その金額は想像もつかない。
 離脱僧ごときに、これほどの金員をかけてしまったのである。果たしてそれだけの価値があるかどうか…。これは明らかに大誤算であったことだろう。


   創価学会でも離脱僧は邪魔者


 創価大学の某助教授は、
「客観主義の立場で僧の存在論的な特殊性は認めたくない」(東洋学術研究 三二―二―三〇頁)
「(僧侶に)積極的な役割として何をやらせるのか、そうすると基本的には無い」(同頁)
と、離脱僧の存在意義を一刀両断に切り捨てている。つまり彼らには役割など何も無く、単なる邪魔者でしかないのである。
 いずれにせよ、これらを冷静に見てみれば、創価学会の離脱作戦は、大誤算を生んだ大失策と言うほかはない。

大白法650(h16.8.1)号より転載



ホーム   目 次   次 頁