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      いよいよ邪宗の名乗り
       「正信会」宗の旗揚げ
               ―正信会

    包括宗教法人「正信会」誕生

 既に「正信会」問題から四半世紀以上…。ついに本年二月、「正信会」は、包括宗教法人を設立した。
 包括宗教法人とは、宗教法人法二条(二号)に規定される、
 「教派、宗派、教団…その他これらに類する団体」
を指す。一般的には、伝統的仏教教団における「宗派」がこれに該当する。
 要するに、包括宗教法人「正信会」とは、取りも直さず「正信会」宗に他ならない。何のことはない、改めて邪宗の名前を自分たちの手で冠したわけだ。
 「正信会」が、日蓮正宗・大石寺と、別個無縁の謗法団体であることは、既にとうの昔に確定している。しかし、彼らは、擯斥処分に付された後も、自分たちは日蓮正宗の僧侶であると強弁し続け、今なお「富士の清流」などという、おこがましいスローガンを掲げている。
 つまり、彼らの心底を斟酌すれば、今でも日蓮正宗内部にいる、自分たちこそ正統日蓮正宗と言いたいわけだ。
 であれば、なぜ今更「正信会」宗を設立したのであろうか?
 言っていることとやっていることがちぐはぐで、全く辻褄が合わないのだ。

     大聖人仏法の亜流宣言

 ところで、「正信会」宗は、その目的について、
 「宗祖日蓮大聖人所顕十界互具の大曼荼羅を本尊とし、法華経及び宗祖遺文を所依の教典として、三大秘法の教義をひろめ…」
と登記している。その規則も同様の規程となっており、これらには「本門戒壇の大御本尊」との記載が全く見当たらない。
 すなわち彼らは、日蓮大聖人の御本懐たる本門戒壇の大御本尊に基づく正しい仏法を弘める意思すら、自ら放棄したのだ。
 そもそも、御戒壇様から離れて、「三大秘法の教義をひろめ…」とは、世迷い言も甚だしい。
 日寛上人は、
 「三大秘法随一の本門戒壇の本尊は今富士の山下に在り」(六巻抄 六四n)
 「富士山は是れ広宣流布の根源なるが故に。根源とは何ぞ、謂わく、本門戒壇の本尊是れなり」(同 六八n)
と御教示されている。
 すなわち、本門戒壇の大御本尊こそ、三大秘法の中心肝要であり、さらに広宣流布の根源である。したがって、ここから離れて、三大秘法は語れないし、まして広宣流布はあり得ない。
 「正信会」宗の発足は、そのまま大聖人仏法の亜流に過ぎないことを社会に宣言したに等しい所業である。

     創価学会と同轍

 そういえば、創価学会でも、平成十四年に「会則」「規則」を改変し、従来のものから「本門戒壇の大御本尊」との名称を削除した。
 「正信会」宗もそれに倣って包括宗教法人を設立したことは、「正信会」宗と創価学会が、同轍の邪義に堕したことを表徴する愚行である。
 かつて日達上人は、
  「大聖人の建立遊ばされた戒壇の御本尊を中心として、三大秘法の中心の御本尊として、我々は、この一大秘法の御本尊を拝み、宗旨の三秘として、三大秘法を説くのであります。…それが、たまたま違ったことが入るならば、それは、日蓮正宗でもない」(大日蓮 昭和四九年八月号二〇n)
と御教示された。
 すなわち、本門戒壇の大御本尊こそ大聖人仏法の中心肝要である。
 「正信会」宗など、単なる邪宗に過ぎないことは、この日達上人の御指南に明らかであり、彼らが日蓮正宗を騙る資格も、名実共に皆無である。
 これら日蓮正宗から派生した「正信会」宗などの異流義は、大聖人の正法と似て非なる分だけ、社会へ排出し続ける害毒も甚大であり、その邪義こそは大悪の因となるのである。

大白法765(h21.05.16)号より転載



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