二、日顕宗は日顕を妄信して日寛上人を否定
                            の虚言を破す



 汝は、日蓮大聖人よりの金口嫡々の血脈を紹継遊ばされる御法主日顕上人猊下に対し奉り日顕≠ニ呼び捨てにし、また日蓮大聖人の教えを唯一正しく信仰する日蓮正宗に対して日顕宗≠ネどと勝手に呼称している。しかし、日本ないし世界の何処にも日顕宗≠ネどという宗旨は存在せず、かかる汝の言は日蓮大聖人の下種仏法に対する誹謗そのものであると呵しておく。
 また汝は、本宗僧俗が日顕を妄信して日寛上人を否定≠オていると言い掛かりをつけるが、日寛上人の法水・師資(しし)伝授の御正意に逆らい否定しているのは、そもそも汝ではないか。本宗僧俗は、大聖人よりの金口嫡々血脈付法の日寛上人の教え、歴代上人の教えを正しく拝し、その血脈の上から御法主日顕上人猊下を、現在における仏法の大師匠と仰ぎ、信仰に励んでいるのである。すなわち、代々の御法主上人は、血脈相承により御内証に大聖人の御法魂を具えられるのであるから、日顕上人に信伏随従することは、日寛上人に信伏随従し、さらには御本仏日蓮大聖人に信伏随従し奉っていることなのである。よって、汝の言は、下種仏法における血脈の次第を定められた大聖人を冒涜する大僻見である。
 また汝は、先般当方が『邪誑の難を粉砕す』を送付したことについて、筆者不明の小冊子が私の手元に届けられた≠ネどと悪態を付いているが、当方は、宗務院監修のもと、はっきりと「日蓮正宗青年僧侶邪義破折班」を名乗って誠実に対応している。にもかかわらず、汝が筆者不明≠ネどということは単なる難癖にすぎないものである。
 また汝は、前回の『邪誑の難を粉砕す』における当方の破折に対して、何の根拠も示さずに「御法主上人の御内証にのみ、久遠元初の完全なる悟り(境智冥合)≠ェ相伝される」「御法主上人への信伏随従こそ即身成仏の要」といった「法主信仰」を、ただ繰り返しているだけである≠ニ述べている。しかし、前回の『邪誑の難を粉砕す』において、当方は、
久遠元初に悟られた御本仏の智慧は、悟られた御本人であられる大聖人に限り奉ることは、当然の道理である。(中略)ただし、そこで踏み外してはならない仏法の道理がある。それは本門戒壇の大御本尊の御内証の法体が、代々の御法主上人に相伝されていることである。それは先にも引用した両巻血脈抄、及び『御本尊七箇之相承』等の相伝書にも明らかなのである。したがって、日寛上人の『当体義抄文段』における御指南の真意を本宗本来の師弟相対の信仰をもって拝すれば、久遠元初の悟りを証得された大聖人が定められた唯授一人金口嫡々の相承により御法主上人の御内証にのみ、久遠元初の完全なる悟り(境智冥合)≠ェ相伝されるという御意なのである。(一六〇頁)
と、仏法の道理を述べ、さらに両巻血脈抄、『御本尊七箇之相承』等の相伝書の名目を挙げて論証したのである。それを汝が何の根拠も示さずに≠ニいうのは、悪質極まる欺瞞であり、耳を掩(おお)うて鈴を盗むとはまさに汝のことである。また汝は、当方の破折に対し法主信仰≠ナあるというが、それも欺瞞である。本宗はどこまでも、御本仏日蓮大聖人の弘通したもう文底下種仏法を信仰しているのである。但し、御本仏大聖人が定められた唯授一人金口嫡々の血脈相承により、代々の御法主上人の御内証には大聖人の御法魂が在されるのであるから、御本仏大聖人の久遠元初の完全なる悟り(境智冥合)≠ヘ、当然のこととして御法主上人の御内証に相伝遊ばされているのである。つまり、御本仏大聖人と御法主上人の御内証は一体不二なのであり、当方が、この下種仏法の深義を述べたことに対して「法主信仰」を、ただ繰り返しているだけ≠ニ主張することは、全く的はずれな誹謗中傷の類であると言っておく。
 また汝は日蓮正宗の正統中の正統教義とされる26世・日寛上人の教学を見下し、誹謗している≠ニいうが、盗人は正直の者を指して盗人という例の如く、日寛上人の教学を見下し、誹謗している≠フは他ならぬ、汝ら創価学会である。なぜなら、汝らは、日寛上人のお述べになられた種々の御法門を自分勝手に誤って解釈し、およそ日寛上人の御本意とかけ離れた邪義を主張して、日寛上人が御所持遊ばされた金口嫡々の血脈相承を否定しているからである。宗門から独立し、池田教を旗揚げした創価学会にとって、本宗の御法主上人に厳然と相伝される大聖人よりの金口嫡々の血脈相承は、よほど目障りなの≠ナあろう。ゆえに、汝らは、血脈付法の御法主上人の尊厳を貶(おとし)め、自らの存在理由の捏造(ねつぞう)に躍起になっているのである。しかし、大聖人の仰せのごとく、悪は多けれども一善に勝つことは絶対にないと告げておく。
 さて、日寛上人の種々の御教示は、汝に言われるまでもなく、日蓮正宗の正統中の正統教義≠ナあるが、日寛上人の御教示は日寛上人が発明したものではなく、大聖人の御教えに基づくものである。また日顕上人の御教示も、大聖人の御教え、そして日寛上人の御教示に基づくものであることは言うまでもない。大聖人の御教えと、日寛上人、日顕上人の御教示は、その根底において全同であるところが本宗の血脈相伝の所以である。ゆえに我らが日顕上人を妄信≠オて、日寛上人の御教示を見下し、誹謗≠キることなど全くあり得る筈がないことを知れ。
 また汝は日顕一派は、法主のみが知る秘密の法門から見れば、日寛教学など「部分」「外用」にすぎない、とする「日寛教学外用論」を唱えている≠ニいうが、当方は日寛上人の御教示について日寛教学外用論≠ネどとは一言も述べていない。当方が『邪誑の難を粉砕す』で汝に教えたことは、日寛上人は、非公開の唯授一人金口嫡々の血脈相承に基づき、時と機にしたがって三大秘法義等の重要法門を開陳なされたということである。そもそも大聖人よりの唯授一人金口嫡々の血脈相承をお受け遊ばされ、内証の法体法門を掌(たなごころ)になされている日寛上人御自身が、『六巻抄』『御書文段』等の御著述に、その内証の法体法門を一言半句も触れられていないということ自体、種々の御著述に示された御法門は、内証の法体法門に対し部分外用≠ニして開示遊ばされたことが明らかではないか。ゆえに汝のつまり、日顕らは、「本意を隠した、仮の教えである」「真実の大聖人の教えではない」として、日寛上人の教学を真っ向から否定したわけである≠ニの言は、的はずれな決めつけであり、悪辣な詭弁による欺瞞であると断ずる。
 また汝は日寛教学を否定することは、そのまま日蓮正宗の教学を根本から否定することに通ずる≠ニもいうが、先にも述べた如く日寛上人の教学を根本的に否定しているのは汝だ。我らは、日寛上人の甚深の御教示に基づき、正義を開陳したまでである。これらのことからも日蓮正宗の教学を根本から否定≠オているのは、他ならぬ汝ら創価学会であることは明らかである。
 大聖人が定められ、日寛上人が御所持遊ばされた唯授一人金口嫡々の血脈相承により日顕上人は、現在において全宗門を教導遊ばされているのである。日寛上人の甚深の御正意は、正信を失った汝ら創価学会員が領解できるものではなく、かえって背叛(はいはん)の限りをつくしていることを指摘しておく。要するに、汝らは日寛上人の教学を悪用して邪義異説を吐いているにすぎない。




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